ここで、セラミドとはなにか、をまとめておきましょう。ここまで調べてきて、セラミドが、お肌のもっとも外側にある角質層の細胞と細胞をつなげる役割をしていることはわかりました。水分をがっちりつかんで、潤いを保っていることも、はっきりしています。それでは、生体成分としてはどんなものなのでしょうか。
まず、セラミドは、脂質のひとつです。細胞一つひとつをくるんでいる細胞膜に、高い濃度で存在することもわかっています。細胞一つひとつをしっかり守っているんですね。この細胞膜は、脂質二重層といって、親水性の脂質と親水性ではない脂質とが脂質が二重になって構成されていますが、セラミドはその重要な成分なのです。
セラミドは体内で合成されて作られますが、その合成経路には2通りの過程があります。ひとつは、「スフィンゴミエリナーゼ経路」と呼ばれているもの、もうひとつが「デ・ノボ経路」と呼ばれているものです。かなり難しい話になってくるので、詳しい説明は避けますが、いずれの経路を通っても、できあがったセラミドは同じ働きをすることになります。
ちょっと話はそれますが、セラミドには、不思議な役割もあります。それがアポトーシス誘導機能。アポトーシスとは、生物用語で細胞死のことで、細胞にあらかじめプログラムされている寿命をさしているのですが、セラミドがその制御にかかわっているのいうのです。方法は、酵素物質によって細胞膜から遊離したセラミドがシグナル伝達物質となって、細胞の分化や増殖、細胞死を制御しているというのです。細胞を守っているはずのセラミドは、いったん遊離すると「死のメッセンジャー」になり、合成障害によってアトピー性皮膚炎を引き起こしていたりもしているのです。